学術集会

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学術集会

抄 録

血液領域2 

D-11

亀田総合病院における血液疾患患者の肺真菌症を疑う結節影に対する超音波気管支鏡検査(EBUS-GS)の取り組み

演者:中島 啓(亀田総合病院 呼吸器内科)

背景:

侵襲性肺アスペルギルスを代表とする肺真菌症は、重篤な転帰を辿るが、生前診断が困難な病態である。近年、ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(Endobronchial Ultrasonography with a Guide Sheath:EBUS-GS)の普及により末梢小型肺癌の気管支鏡診断の安全性と診断率は大きく向上した。当院では、2012年より血液疾患患者の肺真菌症を疑う結節陰影に対して、EBUS-GSを臨床応用してきた。

目的:

血液疾患患者の肺真菌症を疑う結節影に対するEBUS-GSの有効性と安全性を検討する。

方法:

2009年4月から2014年9月の期間で、亀田総合病院、血液疾患患者の肺真菌症を疑う結節影に対して肺生検を施行した患者を対象とした。肺生検の方法は、①従来気管支鏡による肺生検(conventional TBLB)、②CTガイド下肺生検(CT-guided PLB)、③EBUS-GSとした、診断率と合併症について評価した。

結果:

対象は33例で、年齢中央値 64歳、男性 26例(78.7%)であった。生検法はconventional TBLB 10例、CT-guided PLB 8例、EBUS-GS 15例であり、年度別の症例数は2011年までは年間2例以下であったが、2012年 10例、2013年 9例、2014年 10例で、EBUS-GSを導入した2012年以降飛躍的に増加していた。症例のEORTC/MSG criteriaはproven 4例(12.1%)、probable 7例(21.2%)、 possible 22例(66.6%)であった。全体の54.5%(18/33)で、新規結節陰影を標的とした抗真菌薬治療が行われており、MCFG 1例、VRCZ 11例、L-AMB 6例であった。全体の診断率は39.4%(13/33)で、器質化肺炎 5例(GVHD 1例、薬剤性1例、免疫異常3例)、 細菌性肺炎 4例、アスペルギルス症 3例、接合菌症1例であった。診断率はconventional TBLB 50%(5/10)、CT-guided PLB 37.5%(3/8)、EBUS-GS 33.3%(5/15)であった(p=0.745)。EBUS-GSでは86.7%(13/15)で超音波上within(ガイドシース先端が結節内に留置され、結節を確実に生検可能な状態)を示しており、先行治療が行われた肺真菌症においては組織学的診断・培養検査の限界を意味すると考えられた。合併症はconventional TBLB 3例(30%)(一過性低酸素血症 1例、肺出血 1例、呼吸不全 1例)、CT-guided PLB 5例(62.5%)(軽度肺出血1例、軽度気胸4例)、EBUS-GS 1例(7.1%)(一過性低酸素血症)であった(p<0.001)

考察:

EBUS-GSは安全性が高く、標的病変を捉える精度が高い検査法だが、組織採取量増加、遺伝子学的診断併用などによる診断率の向上が考慮される。