学術集会

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学術集会

抄 録

基礎3 

C-13

Nested real-time PCRを用いた臨床検体からの Histoplasma capsulatum 検出の試み

演者:村長 保憲(千葉大学真菌医学研究センター 臨床感染症分野)

諸言:

これまでに我々は培養によるHistoplasma capsulatum(Hc)の検出法に代わるヒストプラズマ症の診断法として、検出特異性の高いサイクリングプローブ法を利用したHistoplasma特異的real-time PCRの開発を進めてきた。しかし、我々が開発したreal-time PCRは、検出特異性は高かったものの、血清などの臨床検体からHc由来のDNAを十分な感度で検出することができなかった。そこで本研究では、我々が開発したreal-time PCRと検出感度に優れたnested PCR法を組み合わせることにより、検出特異性と検出感度の両方に優れたnested real-time PCRの開発を試みた。さらに、本法を用いて臨床検体からHcの検出を試みた。

方法:

本法の検出特異性をHc15株およびその他の真菌37株から抽出したDNAを用いて評価した。また、ターゲット遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを健常人血清に加えた検体からDNAを抽出し、本法の検出限界を評価した。さらに、播種型ヒストプラズマ症の患者1名および急性肺ヒストプラズマ症の患者5名から採取した血清7検体、気管支肺胞洗浄液(BALF)3検体、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織3検体を用い、本法の有効性を評価した。

結果:

検出特異性の評価では、本法はHc供試株のみを特異的に検出することができた。検出限界の評価では、本法は健常人血清に5コピーのプラスミドDNAを加えた検体からターゲット遺伝子を検出することが可能であった。臨床検体を用いた本法の有効性の評価においては、血清検体では7検体中3検体、BALF検体では3検体中1検体、FFPE組織検体では3検体中3検体からHcの検出に成功した。

考察:

我々が新たに開発したHistoplasma特異的real-time PCRは高特異性かつ高感度にHc由来のDNAを検出することができた。臨床検体を用いた本法の有効性評価では、FFPE組織検体からの検出率が最も高かったが、血清検体およびBALF検体では検出率は高くなかった。この理由として、血清検体やBALF検体においては患者の免疫状態や病態、検体の採取時期等が検体中に含まれるHc由来のDNA量に影響し、本法によるHc検出の成否にも少なからず影響していることが考えられた。今後さらに検体数を増やして本法の有効性を評価していく予定である。