学術集会

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学術集会

抄 録

基礎2 

C-10

イトラコナゾール長期曝露による、A.fumigatus のアゾール系抗真菌薬耐性化についての検討

演者:吉田 將孝(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 感染免疫学講座[第二内科]

 アゾール系抗真菌薬耐性A. fumigatusは、近年増加傾向となっていることが報告されている。臨床ではITCZの長期投与、環境中ではアゾール系抗真菌薬を含む農薬の使用が耐性化に関与していると推察されているが、その耐性機序は明らかになっていない。そこで、A. fumigatusを繰り返しITCZへ曝露することにより、耐性獲得していく課程をin vitroで再現し、解析を行った。

方法:

ITCZを添加したSDA培地で、ITCZ感受性A. fumigatus 2.6-2.8×104CFUを35℃・1週間培養し、発育してきた株をさらにITCZ添加SDA培地へ継代した。SDA培地に添加するITCZの濃度を複数設定し、それぞれ計10回継代した時点で、各種抗真菌薬に対する薬剤感受性の測定を行った。


結果:

高濃度のITCZ添加培地、低濃度(MIC以下)のITCZ添加培地、いずれの条件においても、繰り返しITCZに曝露することでA. fumigatusがITCZに対して耐性化していく課程が確認された。ここで得られた ITCZ耐性株は、VRCZに対する交差耐性はみられず、MCFGやAMPH-Bなど、他系統の抗真菌薬に対する感受性にも変化はみられなかった。また、ITCZ耐性 A. fumigatus株については、CYP51A領域のシークエンスを行い、変異の有無についても解析した。
 過去にはCYP51Aの変異を有さない耐性株も複数報告されており、今回得られた株の耐性化獲得機序については、さらに解析を進めていく必要があると考えられる。