学術集会

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学術集会

抄 録

基礎1 

C-05

β-glucan抗体のβ-glucan刺激マクロファージの活性酸素産生に与える影響

演者:篠崎 麻里(東京薬科大学薬学部 免疫学教室)

背景:

β-glucanは病原性真菌細胞壁主要構成多糖成分の一つである。また、ヒト血清中には抗β-glucan抗体が存在し、深在性真菌症患者では、臨床症状に応じて力価が減少したことから、臨床的意義に興味が持たれる。そこで、我々は抗β-glucanモノクローナル抗体(抗BGm抗体)を作成して種々の角度から検討してきた。本研究では、抗β-glucan抗体のマクロファージ活性酸素産生に対する影響を検討した。

方法・結果:

抗BGm抗体、1A5(IgM)及び2B8(IgG)をハイブリドーマ培養上清から精製した。1A5はβ-1,3-glucan鎖に、2B8はβ-1,6-glucan鎖に高い反応性を示した。Candida albicans粒子状β-グルカン(OX-CA)に対する両抗BGm抗体の結合をFACSにて検討したところ、容量依存的に結合し、複合体は大型化した。チオグリコレート誘導C57bl/6マウス腹腔マクロファージを、OX-CA、または、OXCA-抗BGm抗体複合体で刺激し活性酸素産生を検討したところ、複合体は、強い産生能を示した。また、至適濃度は抗体ごとに異なっていた。β-1,3-glucan 受容体であるdectin-1と複合体の反応性をELISAにて検討したところ、1A5複合体の結合性は低下していた。

考察:

β-glucan抗体は病原性真菌由来β-glucanと免疫複合体を作成した。また、抗β-glucan抗体は、dectin -1と競合した。この免疫複合体のマクロファージからの活性酸素産生が上昇したことから、dectin-1ならびに Fc受容体が相乗的に作用していることが示唆された。生体内では、補体受容体も相乗的に機能すると考えられることから、抗β-glucan抗体は、病原性真菌に対するマクロファージの活性酸素種産生を増加させることにより、真菌感染防御に寄与していることが示唆された。