学術集会

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学術集会

抄 録

病理 

B-13

呼吸器細胞診標本にみられた真菌とその臨床的意義

演者:若山 恵(東邦大学医学部 病院病理学講座)

はじめに:

呼吸器細胞診標本における真菌及び真菌様構造物については、口腔常在菌や食物残渣による汚染の可能性があることから、病的意義の解釈が難しい。今回我々は、東邦大学医療センター大森病院における呼吸器細胞診検体を用いて、真菌症診断における細胞診の寄与について評価した。

材料および方法:

当院における2013年の喀痰および気管支肺胞洗浄(BAL)液の細胞診検体1503件。これらについて、真菌及び真菌様構造物の出現頻度や形態について検討した。

結果:

真菌または真菌様構造物が認められた件数は78件(5.19%)であった。78件中、酵母状真菌が58件と最も多く、BAL液でも5件(0.6%)で酵母状真菌が認められた。 反復して細胞診が行われた症例は28例(54件)であり、このうち複数回真菌または真菌様構造物が認められた症例は20例であった。この20例の内訳は、酵母状真菌が15例、糸状菌が4例、菌種不明の真菌が1例であった。中でも糸状菌4例、及び菌種不明の真菌1例はいずれも臨床的に肺アスペルギルス症が疑われた症例で、このうち3例に抗真菌剤による治療が行われた。また、1回のみ真菌または真菌様構造物が認められた症例は32例であり、このうち糸状菌が認められた症例は3例であったが、いずれも口腔由来の真菌が否定できず、原疾患の治療が優先された。

結語:

1.呼吸器細胞診標本において糸状菌が複数回検出されることは真菌症の診断的意義が高い。2.BAL液中にも口腔由来と思われる酵母状真菌がみられ、汚染の可能性を考慮する必要がある。