学術集会

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学術集会

抄 録

アスペルギルス3 

B-10

マウスモデルを用いた肺非結核性抗酸菌症がアスペルギルス感染に与える影響の検討

演者:武田 和明(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 感染免疫学講座[第二内科])

背景:

慢性肺アスペルギルス症(CPA)は肺に基礎疾患を持つ症例に多く発症する。気管支拡張や空洞などの肺構造の破壊をもたらす肺非結核性抗酸菌症(NTM)患者は近年増加傾向にあり、NTMを基礎疾患とするCPA患者は増加している。また、両者の合併症例の診療においては、両者の混在した画像所見の評価や相互作用を有する抗菌薬による治療など、様々な問題点を抱えている。今回我々は肺NTMマウスモデルを用いてNTMがアスペルギルスの感染に与える影響について検討を行った。

方法:

9週齢のメスC57BL/6マウスにM. intracellulare(当院臨床分離株)を経気道的に感染させ、NTMの感染5週間後にA. fumigatusを経気道的に感染させた。2週間後のA. fumigatusの定着率を検討した。

結果:

M. intracellulare感染4週間後、8週間後ともに気道周囲に炎症細胞浸潤を認め、8週間後には肉芽腫様の所見を認めた。4週間後では100%(11/11)、8週間後では85%(11/13)と高率で同様の所見を認めた。NTM肺感染マウスモデルが確立出来たため、NTM感染5週間後にA. fumigatusを感染させたところ、感染15日後ではA. fumigatusの定着率がNTM既感染群で100%(4/4)、非感染群で0%(0/5)とNTM既感染群で優位に高かった。

まとめ:

肺NTM症マウスモデルを用いることで、通常よりも長い期間アスペルギルスを肺に定着させることが可能であった。従って、NTMの肺への先行感染は、アスペルギルスの肺定着・慢性感染化に重要な役割を果たすことが推測できる。