学術集会

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学術集会

抄 録

アスペルギルス3 

B-09

肺非結核性抗酸菌症と慢性肺アスペルギルス症合併例の臨床的検討

演者:井手 昇太郎(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 呼吸器病態制御学[第二内科]

背景:

慢性肺アスペルギルス症(CPA)は肺に基礎疾患を持つ症例に多く発症し、肺非結核性抗酸菌症(NTM)においてもCPAの発症頻度が高くなることが知られている。CPAとNTMの合併例では、画像所見の評価、薬剤相互作用といった問題点を抱え、治療に難渋する症例も多い。今回我々は、当院で経験されたNTMとCPAの合併例について検討した。

対象と方法:

2008年4月から2013年9月までに当科に入院した症例で、NTMもしくはCPAと診断された症例を対象とし、基礎疾患、画像所見、治療経過、予後などについて後ろ向きに検討した。NTM診断基準は日本結核病学会「肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針2008」、CPA診断基準は真菌症フォーラム『深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014』を用い、気道定着が疑われる症例は除外した。

結果:

NTM単独例・76例、CPA単独例・31例、NTM/CPA合併例・6例の計113例が対象となった。NTM/CPA合併例は、すべてNTMが先行もしくは同時診断だった。NTM/CPA合併例では、NTM単独例と比較してCOPD、間質性肺炎、免疫抑制剤もしくはステロイド使用、空洞形成型が有意に多く、死亡率や在宅酸素療法導入率が高かった。またCPA単独例と比較して、NTM/CPA合併例に対するCPAの治療導入率が低かった。

考察:

今回の検討では、NTMの7.3%にCPAを合併していた。合併例でCPAに対する治療導入率が低かった理由に関しては、リファマイシン、マクロライド、アゾールの薬物相互作用のため治療を回避されたことが挙げられる。NTMにCPAを合併した症例は予後不良であり、患者背景や臨床経過によって、肺アスペルギルス症の積極的な検索、適切な治療薬の選択が必要である。