学術集会

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学術集会

抄 録

アスペルギルス2 

B-06

結核治療中に肺炎を併発、治療中に巨大ブラにアスペルギルス感染をおこし長期治療後ブイフェンドに変更し効果を認めた1例

演者:塚越 正章(公立藤岡総合病院)

はじめに:

結核患者では空洞病変に真菌感染を起こし長期化や難治化をすることがある。今回、結核薬内服中の患者の巨大ブラに肺炎後にアスペルギルス感染をおこしCPFG使用後にITCZ内服としたが悪化、その後VRCZ使用にて改善した症例を経験したので報告する。

症例:

60歳男性。既往歴 左手首切断(外傷)。喫煙歴20本/日 35年間。2012年肺結核にてGaffky10号を認め他院結核病棟にて治療。排菌なくなり2013年に当科紹介され外来で内服による結核治療を継続した。治療薬は副作用のためINH、RFP、LVFXの3剤を使用していた。当院受診時の画像所見では右肺は巨大な数個のブラにより占められ正常肺は下葉に一部認められるのみであり、結核病変はほぼ消失している状態であった。当院通院5ヶ月後に発熱、全身倦怠感を認め、右下肺に浸潤影、WBC 24310/mm3、CRP34.7mg/dlと炎症所見が著明な高値を示し入院加療となった。痰からは有意な菌は認められなかったが一般細菌による感染と考えカルバペネムによる点滴をおこなった。炎症所見、熱などの感染による所見は改善、悪化を繰り返した。MRSA感染も併発しリネゾリドを一時使用した。入院3ヶ月後から喀血を認め大量の出血あり、この時の痰からaspergillus speciesが培養され,上肺の巨大ブラに新たに感染性病変を認めた。真菌による影響と考えCPFGを使用したが出血コントロールつかず、気管支動脈塞栓術を行い止血された。その後も炎症所見上下し,熱も上昇認め7ヶ月CPFGを使用した。状態落ち着いてきたためITCZに変更、抗結核薬もそのまま継続とし入院後10ヶ月で退院となった。退院後10日で再び発熱、炎症所見CRP32.8と上昇のため入院となった。VRCZ注射に変更、一般細菌に対してもカルバペネム使用とした。その後も悪化、改善もあり5ヶ月投与、炎症所見改善し、画像での感染部位も縮小、臨床症状も落ち着いたためVRCZ内服に変更、退院となった。

考察:

本症例では結核治療中に一般細菌による肺炎を起こし、全身状態悪化しアスペルギルスによる感染をおこしたと考えられる。入院後は結核の排菌は一度もなく結核の再発はなかったと考えられる。多数の抗菌薬を使用し画像上は陰影残っていたが落ち着いたため退院とした。1回目の退院後すぐに再燃し入院となり一般細菌による再度の感染、アスペルギルス感染の悪化が考えられ2回目の入院後は,VRCZ変更後、炎症所見とともにアスペルギルス感染と考えられる画像も改善認め、早期にVRCZを使うことで再入院を防げた可能性も考えられた。