学術集会

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学術集会

抄 録

アスペルギルス2 

B-05

脊椎への直接浸潤をきたした菌球型肺アスペルギルス症の一例

演者:南條 友央太(順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科)

 症例は73歳男性。2004年に原発性肺癌と診断され、化学療法と放射線療法を行い、CRに至り、以降外来でフォローされていた。2009年に放射線化学療法後に生じた空洞に合併した肺アスペルギローマと診断され、VRCZ400mgで加療したが、羞明が悪化したため、ITCZ200mgに変更した。この時点で外科的処置も検討したが、放射線による癒着と血流障害が予測され、断念された。その後、喀痰より再びアスペルギルスが検出され、咳嗽も増悪した為、VRCZを200mgで再開したが、2013年に紫斑が出現したためVRCZを中止した。その後無治療で外来フォローしていたが、2014年4月に血痰が出現し、右側上背部痛も出現したため入院となった。入院後、MCFG150mgで加療を開始したところ、血痰の改善は得られが、背部痛の改善は乏しく、胸部MRIを撮影したところ、アスペルギローマに隣接する椎体の溶骨性変化とT2でのhypointensityを認め、アスペルギルスの直接浸潤による椎体炎と診断した。診断後、MCFG150mg+VRCZ400mgによる併用療法を開始した。治療開始後、肝障害が出現したため投薬を中止し、改善後VRCZ300mgで再開した。開始50日後の骨シンチでも集積が認められ、治療に難渋した。その後、呼吸状態の急速な悪化を認め、第148病日に永眠された。病理解剖を施行したところ、右上肺葉表面にfungus ballの露出を認め、胸腔内への直接浸潤が認められ、連続してTh4/5間より椎体に直接浸潤し、椎体破壊をきたしているのを認めた。アスペルギルスによる脊椎炎自体稀ではあるが、アスペルギローマからの直接浸潤を病理解剖により直接確認に至った症例はさらに少なく貴重であるため、若干の文献的考察を加え報告する。