学術集会

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学術集会

抄 録

アスペルギルス2 

B-04

Aspergillus fumigatus による難治性膿胸を来した症例

演者:八十川 直哉(川崎医科大学 呼吸器内科)

 71歳の男性。既往症にANCA関連血管炎、間質性肺炎、急速進行性糸球体腎炎、人工透析導入を認める。20XX年3月初旬、突然胸痛を自覚。右気胸及び間質性肺炎急性増悪の診断で近医に入院となった。間質性肺炎の急性増悪に対し、シクロフォスファミド大量投与とステロイド投与が施行された。気胸に対しては、胸腔ドレナージ術を約1ヶ月間施行するも改善を認めず、難治性気胸の加療目的で当科へ転院となった。
 当科入院後、難治性気胸の原因検索のため局所麻酔下胸腔鏡術を施行。胸腔内全体が白色〜黄色フィブリン膜に被覆されており、胸水検体より提出した細菌培養検査でA. fumigatusを検出した。
 A. fumigatus膿胸に対し、①細菌性膿胸の合併、②透析患者、③吸収不良症候群の合併を考慮し、MEPM 0.5g/day、L-AMB 4mg/kg/day、さらに投与7日目よりMCFG 200mg/dayの追加投与を行った。しかしながら、治療開始後第18病日頃より、敗血症に伴うDIC増悪し、第22病日敗血症性ショックおよび呼吸不全の悪化を認め永眠された。病理解剖の結果、右前胸部に、広範囲に亘るアスペルギルス性膿胸を認め、胸部CT画像で指摘された病変より非常に広範かつ重症の病変であった。
 本症例は、①基礎疾患に間質性肺炎、腎不全人工透析を認め、②免疫抑制剤大量投与中で高度な免疫抑制状態で、③気胸に対する胸腔ドレナージ術を長期施行中に合併したA. fumigatus膿胸であった。また透析患者であり、吸収不良症候群を認めたことから、薬剤の胸腔内移行が良好なVCZの投与は施行できずL-AMBの静脈投与を行ったが結果的に無効であった。
 本症例のように胸腔内に壁在すると考えうる真菌性膿胸に関しては、外科的治療や、胸腔内への抗真菌剤投与を含めた集学的治療を積極的に考慮すべきと考える。