学術集会

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学術集会

抄 録

クリプトコックス 

A-07

胸部CTにてスリガラス影を呈した播種性クリプトコックス症の2例

演者:山田 康一
(大阪市立大学大学院医学研究科 臨床感染制御学講座、
大阪市立大学医学部付属病院 感染制御部)

はじめに:

肺クリプトコックス症は胸部CTにて結節影や浸潤影を認める例が多く、スリガラス影はまれである。また、一般的にβ-Dグルカンは高値を示さない。細胞性免疫不全患者で胸部CTにてスリガラス影ならびにβ-Dグルカン高値の症例では通常は、ニューモシスチス肺炎(PCP)が鑑別となる。今回、我々は胸部CTにてスリガラス影を呈し、β-Dグルカンが高値を示した播種性クリプトコックス症の2例を経験したので報告する。

症例1:

72歳女性。関節リウマチに対してPSL+MTXならびにアバタセプトが投与され、アバタセプトは3回目で中止となっていた。その後約3か月後から発熱、呼吸困難が出現し、入院。入院時の胸部CTにてびまん性にスリガラス影を認め、β-Dグルカン3810 pg/mLと高値を示した。PCPを疑いST合剤を開始するも改善なく、血液培養にてCryptococcus neoformansが検出された。VRCZその後L-AMBに変更されるも改善に乏しく、day44に永眠された。

症例2:

71歳女性。関節リウマチに対してPSLならびにMTXの過量内服がされていた。発熱、呼吸困難、血圧低下あり緊急入院。入院時の胸部CTにてびまん性にスリガラス影を認め、β-Dグルカン548 pg/mLと高値を示した。PCPを疑いST合剤を開始するも改善がみられなかった。その後day10の血液培養にてC.neoformansが検出されたため、L-AMBを開始するも改善なく、永眠された。病理解剖にて両肺、心室中隔、左腎にC.neoformansが認められた。肺胞腔内にはC.neoformans菌体のみが充満し、生体の反応がほとんど認められなかったことが示唆された。

考察

今回胸部CTにてスリガラス影を呈した播種性クリプトコックス症の2例を経験した。いずれもβ-Dグルカンが高値を呈し、当初PCP疑いで治療が行われ、診断が遅れたことが予後不良の要因と考えられた。RAに対して免疫抑制剤や生物学的製剤が使用されている患者において胸部CTにてスリガラス影を呈する患者では播種性クリプトコックス症も鑑別にあげ、クリプトコックス抗原や気管支鏡などの積極的な検査が必要である。