学術集会

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学術集会

抄 録

カンジダ症2 

A-05

ACTIONs bundle 2014を用いた侵襲性カンジダ症の診断・治療の評価

演者:植田 貴史(兵庫医科大学病院 感染制御部)

目的:

侵襲性カンジダ症の診断・治療に関して、真菌症フォーラムはACTIONs bundle (以下:bundle2011)を作成した。既に、多施設研究によりbundle 2011を遵守する事で良好な治療成績が得られた事が報告されている。しかし、bundle 2011の問題点として、遵守率を評価するカットオフ値が明確でない、治療早期死亡例ではいくつかの項目が自動的に達成されずバイアスがかかる、各項目の重みづけがないなどの問題点があり、bundle 2014が作成された。今回、bundle 2014の有用性を検討した

方法:

2011年5月〜2014年9月の間で、感染制御部が介入して侵襲性カンジダ治療を行った症例をレトロスペクティブに調査した。Entry基準として、2011年版は全症例、2014年版は抗真菌薬治療開始後5日以内生存した症例とした。評価方法として、2011版では全該当項目の遵守率(yes項目/yes+no項目)を用いて、全国調査における25th、中央値、75thの遵守率をカットオフ値とした。 2014年版では全てのkey項目(カンジダ血症:7項目、エンピリック:5項目)を遵守した場合をカットオフ値として有効率、28日以内の死亡率について評価した。

結果:

対象は2011年版でカンジダ血症は80例、エンピリックは167例、2014年版(5日以上生存)は各々78例、164例であった。当院における2011年版での遵守率の中央値はカンジダ血症では90.0%、エンピリックでは87.5%、2014年版での遵守の割合はカンジダ血症で50.0%、エンピックで81.7%であった。2014年版での各key項目のうち、達成率が低率であったのは、カンジダ血症で「血液培養陰性確認」62.8%、「2週間治療投与(血培陰性化かつ臨床症状改善)」61.5%、エンピリックでは「血清診断またはカンジダ分離≧2か所に基づいた治療」81.1%であった。2011版で評価した場合、カンジダ血症では全国調査の中央値(遵守率:80%)をカットオフにした場合に有効率と死亡率に有意な差が認められた(有効率;91.0% vs 53.8%, p=0.003、死亡率:11.9% vs 46.2%, p=0.009)。しかし、エンピリックでは25th(遵守率:66.7%)でのみ有効率に有意な差が認められたが(66.9% vs 0.0%, p=0.014)、死亡率ではいずれの遵守率でも有意な差が認められなかった。一方、2014年版で評価した場合、全key項目を遵守することで、カンジダ血症では良好な有効性が得られ(遵守97.4 vs非遵守76.9%、p=0.007)、死亡率に関しては良好な傾向が認められた(7.7% vs 23.1%、p=0.060)。エンピリックでも良好な有効性が示されたが(73.1% vs36.7%、p<0.001)、死亡率は各々14.9%、16.7%(p=0.783)であった。

考察:

2011年版の問題点を改良したbundle 2014でも有用性が示された。