学術集会

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学術集会

抄 録

カンジダ症2 

A-04

Candida lusitaniae による感染症の後方視的検討

演者:平井 潤(愛知医科大学病院 感染症科)

背景:

Candida lusitaniaeは1979年に初めて日和見感染症の原因菌として報告されたものの、カンジダ血症の中で検出頻度が約1%と分離頻度が稀な酵母であり不明な点も多い。近年、non-albicans Candidaによる感染症が増加傾向にある中、C. lusitaniaeによる感染症例の報告もある。今回、当院で経験したC.lusitaniaeによる感染症例について後方視的に検討した。

方法:

2005年9月〜2014年8月までの9年間に培養検査でC. lusitaniaeが検出された48検体のうち(重複患者あり)、無菌検体から検出され、かつcontaminationが否定された真の感染症症例を対象とした。

結果:

感染症例は4例で全て血流感染であった。感染症例の内訳は持続C. parapsilosis血症からのブレイクスルー感染が疑われた症例が1例、CRBSIが1例、末梢カテーテル関連血流感染疑いが1例、尿路から移行した血流感染疑いが1例であった。性別は男性2例、女性2例、平均年齢は73歳で、カンジダ血症のリスク因子として血液関連疾患や臓器移植の既往、好中球減少などは1例も認めず、過去の定着が1例、免疫抑制剤使用が1例、3例では中心静脈カテーテルが挿入されていた。基礎疾患として2例に糖尿病を認めた。C. lusitaniae検出前にカルバペネム系などの広域抗菌薬が投与されていたのは2例であった。検出されたC. lusitaniaeの感受性はアゾール系、キャンディン系、5-FC、L-AMBの全てに感性を示した。治療に用いた抗真菌薬は死亡症例2例ではL-AMB、軽快症例ではF-FLCZやMCFGが使用され、ブレイクスルー感染症例以外は抗真菌薬の前投与はなく、2例では死亡後に菌種が判明した。

考察:

C. lusitaniaeは他のカンジダ属と異なり、L-AMB耐性の可能性やL-AMB使用中に耐性を発現する可能性を有するためL-AMB使用中にはC. lusitaniaeのブレイクスルー感染に注意をする必要があると考えられた。臨床上重要な真菌であるが、未だ症例報告が少なく、今後の症例蓄積による検討が望まれる。